学術論文より
http://www5c.biglobe.ne.jp/~atopy/papermatsumura1995.htm
成人型アトピー性皮膚炎の脱ステロイド療法
松村剛一、藤崎景子、貝瀬明
臨床皮膚科49(5増):115-120, 1995
脱ステロイドに伴う皮疹のリバウンド現象の経過5)は以下の4型に分類できた(図3)。
Ⅰ型:ステロイドが徐々に減量できリバウンドがほとんどない。
Ⅱ型:リバウンドの山が一峰性で、1~3ヶ月でピークとなり6ヶ月未満で皮疹が改善する。
Ⅲ型:リバウンドの山が二峰性で、最初の山が1~3ヶ月でピークを示しその後一時改善するが、その3~6ヶ月後に第2のピークが出現して約1年程度で皮疹が改善する。
Ⅳ型:1~3ヶ月後にリバウンドのピークがあるがその後の皮疹の改善はゆるやかで6ヶ月以上かかる。多くは9ヶ月から1年で改善するが、2年かかる症例もある。
当科の脱ステロイド群では、Ⅰ型10例(11.8%)、Ⅱ型30例(35.5%)、Ⅲ型7例(8.2%)、Ⅳ型38例(44.7%)であった。リバウンド現象が6ヶ月未満の症例(ⅠとⅡ型)では、1)ステロイド中止前の皮疹が軽症、2)顔面、上胸部の皮疹が中心で、体幹、四肢に皮疹が少ない。3)ステロイド外用剤の使用が短期少量、4)悪化要因、心理的問題が少ないなどの特徴がみられた。また、リバウンドが6ヶ月以上かかる症例(ⅢとⅣ型)では、1)ステロイド中止前の皮疹が重症、2)皮疹が全身に分布、3)ステロイド外用剤の使用が長期大量、4)暗紅色から灰褐色の色素沈着6)を示す皮疹、5)悪化要因、心理的問題が大きいなどが特徴として挙げられた。特に4)の症状を呈する症例は改善に1年以上必要であった。
私の場合は完全にⅣ型だ。
「皮疹が悪化した場合、なぜ悪化したのかを考えることが必要と思われる。筆者らは、とくに生活習慣や心理的要因が皮疹の悪化に関係する症例を多く経験した。」
なるほど!勉強になりました。
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