統一教会の教義の中心的な文書である「原理原本」「原理解説」「原理講論」（英語: Exposition of the Divine Principle）は、教会の創設者である文鮮明（ムン・ソンミョン）氏によって1952年に発表されました。この書は、統一教会の神学、歴史観、そして救済論を体系的にまとめたものであり、信者にとっての教義的な基盤となっています。
### 第1章: 創造原理
この章では、神が宇宙や人間をどのように創造したかを説明しています。神は愛と調和をもってすべてを創造し、人間を神の「似姿」として作りました。人間の目的は、三大祝福（個人の成熟、家庭の繁栄、世界の支配）を達成し、神と完全に一致することです。
### 第2章: 堕落論
この章は、人類がどのようにして堕落したかを解説します。アダムとエバの堕落はサタンとの不正な関係を通じて霊的・肉的に起こり、神との関係が断たれてしまいました。これが罪と苦しみの原因であり、堕落によって人間はサタンの支配下に置かれるようになりました。
### 第3章: 終末論
終末論では、歴史の終わりをどのように捉えるかについて説明します。終末は世界の破壊ではなく、神の王国が地上に実現する新しい時代の到来を意味します。この章では、終末の時代に起こる出来事や、再臨主によって新しい世界秩序が確立される過程が描かれています。
### 第4章: メシア降臨の目的
この章では、メシアがなぜ地上に降臨するのか、そしてその使命について解説されています。イエス・キリストは、神の子として人類を救うために降臨しましたが、当時の人々の不信によってその使命を完全に果たせませんでした。そのため、再臨主の到来が必要であるとされています。
### 第5章: 復活論
復活論では、死後の生命と霊的な成長について述べられています。復活は、霊的な成長とともに、堕落した人類が神との関係を回復し、再び神のもとに戻る過程として捉えられます。霊界と地上界での人間の成長と発展が説明されています。
### 第6章: 予定論
予定論では、神の意志と人間の自由意志の関係について論じています。神の予定は絶対ではなく、人間の自由意志との協力が必要です。人間の行動や選択が神の摂理にどのように影響を与えるかが示されています。
### 第7章: キリスト論
キリスト論では、イエス・キリストの役割と使命について述べています。イエスは神の子として地上に降臨し、神の摂理を成就するために使命を受けましたが、その使命は完全に果たされませんでした。そのため、再臨主の登場が予告され、これが統一教会の中心的な信仰の一つとなっています。
「原理講論」は、統一教会の信仰と実践を理解するための鍵となる文書であり、これに基づく教義と活動は、信者の生活の中で大きな影響力を持っています。文鮮明氏の教えを継承し、発展させるものとして、現在でも信者にとって重要な指針となっています。
前編はこの七つの章立てになっており、後半はアダムとエバから現代に至るまでの歴史論と再臨論になっている。
「原理講論」の最終章である**再臨論**は、再臨主（再び地上に降臨するメシア）に関する教えを詳細に論じています。この章では、再臨主がどのようにして現れ、何を成し遂げるべきか、またその到来の意義について説明されています。
### 再臨論の要約
1. **再臨の必要性:**
再臨論は、イエス・キリストが初臨時に完全な救済を成し遂げることができなかったため、再臨主の到来が必要であると説きます。イエスは十字架にかけられたことで、霊的な救済は成し遂げましたが、地上に神の王国を築く使命は未完となりました。これを成し遂げるために、再臨主が再び現れる必要があります。
2. **再臨の時期と方法:**
再臨の時期は、聖書の預言や歴史の摂理から判断され、ある特定の時代に再臨主が現れるとされています。ただし、再臨の方法は物理的な天からの降臨ではなく、人間の中から現れるとされます。再臨主は、人々の中に生まれ、成長し、地上で活動を開始します。
3. **再臨主の使命:**
再臨主の主な使命は、堕落した人類を復帰させ、地上に神の王国を建設することです。これには、家庭の復興、国家の再建、世界平和の実現が含まれます。再臨主は、愛と真理によって人々を導き、全人類を神のもとに帰還させる役割を果たします。
4. **再臨主の見分け方:**
再臨主を見分ける基準として、その人の教えや行動が神の摂理に一致しているかどうかが重要視されます。再臨主は、真の愛と無私の奉仕をもって人々を導き、神の意志を地上に実現するために働きます。彼の教えと行いが、神の原理に基づいていることが見分ける鍵となります。
5. **再臨の意義:**
再臨論は、再臨主の到来が人類にとっての新しい時代の始まりであることを強調します。再臨主によって、地上に神の王国が実現され、全人類が神のもとで平和と幸福を享受できるようになるとされています。これは、歴史の終末であり、新しい創造の始まりを意味します。
### まとめ
再臨論は、「原理講論」の結論として、統一教会の信仰の核心を成す教えです。再臨主の到来は、全人類の救済と地上の神の王国の実現を目指すものであり、信者にとっての究極の希望とされています。この章は、統一教会の信仰生活の中で最も重要な位置を占める教えの一つです。
「わたしはまた、御座にいますかたの右の手に、巻物があるのを見た。その内側にも外側にも字が書いてあって、七つの封印で封じてあった。 また、ひとりの強い御使が、大声で、「その巻物を開き、封印をとくのにふさわしい者は、だれか」と呼ばわっているのを見た。 しかし、天にも地にも地の下にも、この巻物を開いて、それを見ることのできる者は、ひとりもいなかった。 巻物を開いてそれを見るのにふさわしい者が見当らないので、わたしは激しく泣いていた。 すると、長老のひとりがわたしに言った、「泣くな。見よ、ユダ族のしし、ダビデの若枝であるかたが、勝利を得たので、その巻物を開き七つの封印を解くことができる」。
https://bible.com/bible/1820/rev.5.5.口語訳」
ヨハネの黙示録 5:1-5 口語訳
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